最近、ゴリゴリのヤンキーを見ないな、
ついに日本中の子供たちが健全になったかと思ったら、
今の時代、昔の昭和ヤンキーのようなダサイ子供はいないらしいですね。
なるほど時代は変わったんですねぇ。。。
今はマイルドヤンキーというおしゃれさんが増えたようです。
でも万が一、生存が発覚することもあると思うんです。
まだ生き残ってた昭和ヤンキーにカツアゲとかされたり、
「タイマンだ、コラー」とかナンマンダーみたいなこと言われて、
街でからまれたりしたら一生の不覚ですよね?
なので、注意喚起の意味を込めまして、
昭和ヤンキーについて解説しようと思います。
こういう人がいたら近寄らないようにしましょう。
目次
昭和ヤンキーの髪形について
まず昭和ヤンキーの髪形について解説します。
昭和ヤンキーは大きなリーゼントが基本になります。
威嚇が主な目的です。
横から見るとこのようなフォルムになります。
この大変ボリュームのあるフォルムを維持するために、
かなりの量の整髪料(スプレーやジェル)を使用しますので、
時間的・経済的負担は必然的に大きくなり、一部のヤンキーは万引きに走ります。
また、髪の毛の色は茶色または黄色に染めて、
後ろ髪も同時に伸ばすのも特徴のひとつです。
僕の中学時代の話ですが、各クラスに必ず数名ほどヤンキーがいました。
そのうちの1人がしばらくサボって学校に来ないなと思ったら、
ある日「巨大な頭」でイメチェンして現れたんですね。
それにはクラスのみんながビックリしたのと同時に、
みんな陰でゲラゲラと腹を抱えて笑っていたんですが、
他のクラスのヤンキー仲間からも、
「おまえ、頭でけえぞ。」
と言われていましたので、やはり適度なサイズ感はあるようです。
漫画の真似して巨大にしすぎたんでしょうね。
昭和ヤンキーの「剃り込み」について
もう一つ昭和ヤンキーの髪形について言及しますと、
昭和ヤンキーは俗に「剃り込み」と呼ばれる、
不可解なアクセントを髪に入れます。
このようになります。
額の左右両サイドの生え際をカミソリ等で剃るのです。
また、これが鋭角で深ければ深いほど理想とされています。
また、今でこそ眉毛を剃るのは一般の人にも浸透してきましたが、
当時、眉毛を剃るのはヤンキーの専売特許でした。
とはいえ、現代の若者のように「細く整えて剃る」というよりは、
三角形に剃るのが昭和ヤンキーの非常に大きな特徴です。
麿のような丸い眉毛ではありません。
実は僕の中学時代、昭和ヤンキーだけではなく「おしゃれ」と称して、
剃り込みを入れている友達は何人かいたんですが、
その何人かは剃り込みの部分から毛が生えてこなくなったらしいです。
しかも、そこからハゲ始めてきて焦ってましたね。
激しくメリットのない昭和の風習であります。
昭和ヤンキーの服装について
次は昭和ヤンキーの服装について解説します。
最近の学校はブレザーが多かったですが、
当時は学ランが主流でした。
学ランと言っても、「短ラン」「長ラン」「ボンタン」などという、
変形学生服といわれる制服を昭和ヤンキーは好んで身に着けたのです。
下の絵のような服装が昭和ヤンキーの標準スタイルでした。
また昭和ヤンキーは第一ボタン(一番上のボタン)を外すのがセオリーですが、
これは一般の学生も「おしゃれ」の一環としてやっていました。
ただし昭和ヤンキーはボタンを「いぶし」仕様に変えたり、
一般の学生とはこだわりの度合いが違っていました。
「裏ボタン」と言われていたボタンと服を接続するボタン留め金具にも、
竜などの絵が付いたものを使用する等、
見えない部分でも「威嚇」の精神を発揮していたのです。
僕の地元にも変形学生服を売ってる店が何軒かあって、
そのうちの一軒は今で言う「しまむら」のように色んなものを売っていて、
お店の中の一角に変形学生服のコーナーがありました。
さすがに、変形学生服だけじゃ商売が成り立たないのかなあと思いましたが、意外に市内全域のヤンキーが買うので商売繁盛していたみたいです。
体育用ジャージを羽織るスタイルもある
あと、もう一つ昭和のヤンキースタイルが存在します。
下の絵のように体育用ジャージを羽織るのも昭和ヤンキーの特徴でした。
ボンタンを履いているのに、このチグハグさは異様です。
でも、この格好は短ランなどを買うよりも安上がりで、
なおかつ、一発でヤンキー認定されるので威嚇効果も抜群、
非常にコスパの良いスタイルだったのです。
また、もともと変形学生服の無い女子の昭和ヤンキーは、
上着がジャージで下にスカートを履くというのが、
定番不良女子スタイルになっていました。
昭和ヤンキーの話し方について
昭和ヤンキーは特徴的な言葉を使います。
その話し方に耳をすませば、昭和ヤンキーかどうかの判別は可能。
次は昭和ヤンキーの言葉遣いについて解説します。
「あーん?」は「What?」の意味
昭和ヤンキーは頻繁に「あーん?」と言います。
僕は最初、ヤンキー漫画などに出てくる「あーん?」の意味が分からず、
何らかの接頭辞か、または喘ぎ声かと思ったのですが、そうではなく、
英語で言うところの「What?」に該当します。
下の絵のように、少し下向き加減で上目遣いで、
思い切りしゃくれながら「あーん?」と言います。
また、「あーん?」と発した瞬間に少し頭をあげると、
威嚇効果が上がりますから、多くの昭和ヤンキーがそうしていました。
昭和ヤンキーはニワトリのように顔や首がよく動いたものです。
とはいえ、僕が中学時代、ヤンキーのクラスメイトは、
単に名前を呼ばれた時にも普通に「あーん?」を使っていましたから、
必ずしも威嚇の意味合いが強いものではありませんでした。
ただ、普段の習慣は怖いもので、
怖い先生に名前を呼ばれた時にも「あーん?」と返事をして、
ぶん殴られていたヤンキーもいましたから、
安易な使用には注意が必要です。
「コラー」は手軽な威嚇ワード
昭和ヤンキーは、威嚇するために会話の最後に必ず「コラー」を付けます。
「コラー」というのは大人が子供のイタズラを叱る時とかに発する「コラ」です。
「コラ」は、大変お手軽に威嚇ができるので多用されますが、
コラを多用し過ぎて、結局何を言ってるのかわからなくなるという、
コミュニケーションにおいて致命的なデメリットがあります。
また昭和ヤンキーは「タイマン」というものに大きな美学を持っており、
何かあると常に相手に「タイマンだー!」と威嚇することで、
自らを奮い立たせていたのでした。
ちなみに「タイマン」とは「怠慢」のことではありません。
「タイマン」とは「一対一のケンカ」のことを指します。
確かに昭和ヤンキーが自ら「怠慢だー!」と叫び出せば、
「うん、確かに」と思うかもしれませんが、
そうではないのです。
「なんだこら」と「やんのかこら」
また、相手とタイマン(一対一でケンカ)をする直前には、
下の図のように「あーん?」を言う時と同じジェスチャーで、
「なんだこら」「やんのかこら」の2つのフレーズを交互に使うことで、
相手を効果的に威嚇することができます。
これは、ボクシングで言う「ワンツー」のジャブと同じ効果がありますから、
多用しない手はありません。
こうして威嚇することで相手がひるめば、
戦わずして勝つことができますから、
無駄なタイマンを避けることができます。
現代ほど若者に格闘技が浸透していなかった昭和時代では、
いかに威嚇で勝るかが非常に重要なポイントであり、
これこそまさに昭和ヤンキーならではの知恵であり、
現代ヤンキーよりも特段すぐれていた点であります。
母音の「え」を強調する
ちなみに「あーん?」や「コラ」などの言葉遣いよりも、
その発声方法に大きな特徴があるのも昭和ヤンキーならではです。
昭和ヤンキーが発する言葉は全体的に母音の「え」の音が入っています。
例えば、
「おいてめえ、なんだこら!」
という典型的なヤンキーフレーズがありますが、
これを、そのまま読んでも昭和ヤンキーにはなりません。
あえて文字で強調して書きますと、
「おぇいてめえ、なぇんだぇ、こらぇ!」
と語尾に「ぇ」が混ざった感じで言うことがキモです。
ちなみにこの技を使えば、
誰もが昭和ヤンキーを瞬時に表現することができるので、
ぜひ今晩のディナーの際にでも家族の前でお試しください。
そもそも、なぜヤンキー口調には「え」の音が一語一語に入り込むのか、
その答えは「しゃくれる」ことにありました。
相手を威嚇するために昭和ヤンキーは顔を「しゃくれ」さすのですが、
しゃくれながら言葉を発すると「え」の音が入ってしまうのです。
実際に試してみてください、口調がヤンキーっぽくなりますよ。
とはいえ、なぜ相手の威嚇に「しゃくれ」が必要か、
そこには謎が残ります。
むしろ、しゃくれさすことで相手を笑わせてしまうのではないか?
にらめっこのような「笑うと負け」ルールでもないのに、
非常に不可解な「しゃくれ」顔であります。
アントニオ猪木あやかり説
当時の研究で「アントニオ猪木説」というものがありました。
アントニオ猪木はナチュラルにしゃくれてますね。
昭和ヤンキーもケンカ相手の前で、思い切り「しゃくれる」ことで、
相手にアントニオ猪木を思い出させて「恐怖」を想起させ、
威嚇の度合いを増すことができるという説です。
実際、僕らが子供時代、
アントニオ猪木と言えば悪役レスラーをやっつける正義のヒーローでした。
毎週金曜日の夜八時からテレビ朝日で始まる「ワールドプロレスリング」は、
ドリフと同じくらい大人気番組でした。
僕の母親も猪木の大ファンでしたからね。笑
幼児の「イー」説
もう一つの説として、幼子がケンカする時に、相手に向かって口を横一文字にして「いーっ」って言いますよね。
最近の子供は言わないかもしれませんが、これをまねているという説もあります。
「イー」の顔をすると歯を食いしばってるような表情になります。
歯を食いしばることで、相手に力強さを伝えようとしているのです。
昭和ヤンキーの乗り物について
次は昭和ヤンキーの乗り物について解説します。
昭和ヤンキーも中学を卒業しますと原付免許を取り始めます。
そしてバイクに乗り始めるのですが、
一部の人は珍走団(暴走族)に入団することになります。
珍走団の特徴と言えば、このバイクです。
車体の色は自らショッキングピンクや紫などにペイントする昭和ヤンキーも多かったです。
でも、やはり一番わかりやすいのは巨大な「背もたれ」です。
これが付いたバイクを見たら100%の確率で珍走団ですので、
すぐに路肩などに車を寄せて安全を確保しましょう。
また、珍走団の被り物にも特徴があります。
珍走団は必ず「おわん型」のヘルメットを使用し、
そこには旭日旗や富士山、卍などをプリントしています。
しかし政治的に「極右」というわけでもなく、
雰囲気でそうしているだけですので注意が必要です。
また、フルフェイスなどは決して使用せず、
決して顔を隠さず堂々としているのが特徴ですが、
黒いマスクは着用しがちです。
昭和ヤンキーと珍走団は別物
ちなみに昭和ヤンキーと言えども、
珍走団に入団するのは比較的過激な一部の人でして、
必ずしも昭和ヤンキーの全員が入団したわけではありません。
とくに10代の後半ですから恋愛などに夢中になり、
マイルド化する昭和ヤンキーもたくさんいたのです。
あと、必ずしもバイクに興味が無かったり、
むしろ恋愛への興味が勝る場合もありますが、
本当に真面目に仕事に興味を持ち始めたりする人もいて、
昭和ヤンキーといえども進路は様々でしたね。
さらにそこから先の「悪の道の極み」へ進む人となると数は減ります。
むしろ、そこまで行くと今まで普通だった人がそっちへ行ったりして、
「えー、あの人がー!?」みたいなこともありましたね。。。苦笑
なので、必ずしも元ヤンだけが「極みに行きつく」とも限りません。
まさに人それぞれでしたね。。。
ところで僕が子供の当時は、不良マンガが流行ったものです。
ぼくはドラエモンしか読まない子供でしたが、
仲の良い普通のヤンキーじゃない友達が不良漫画を読んでて、
「面白いよ」というので読んでみたら本当に面白くて。笑
こちらの「特攻の拓」、普通の生徒がヤンキーになる物語ですが、
他の登場人物のキャラも面白くて「こんなやつはいねえ」と思いつつ、
笑いながら読んでた記憶があります。
昭和ヤンキーを知るにはオススメの一冊です。
以上、昭和ヤンキーの解説でした。
くれぐれも昭和ヤンキーに憧れないでくださいね。