スマートシティってご存知ですか?
スマート(賢い)シティ(街)という意味ですが、
具体的にどんな街なのか?
を理解してる人って少ないのかもしれません。
もちろん、ひと昔前の「ニュータウン」じゃないですよ。笑
とくに先日、スーパーシティ法案が国会で可決されましたが、
スーパーシティとスマートシティって同じもの?
どうしてスーパーシティ法案に反対している人がいるの?
などなど、いろんな疑問もあると思います。
その辺もすべて含めてスマートシティについて話したいと思います。
(僕はスマートシティ大歓迎という立場です。笑)
目次
スマートシティとスーパーシティの違い
ところで、スマートシティとは何でしょうか?
スーパーシティとは何でしょうか?
この2つは、どうちがうんでしょうか?
という話からしますと、基本的にどちらも同じような意味合いのものです。
でも、あえて両者を区別するならば、
スマートシティはITを駆使した最先端の都市という技術的革新の意味合いが強いですが、
スーパーシティというのは「スーパーシティ構想」という政府の施策の中で使われる言葉で、
社会の在り方が変わるような未来的な街というニュアンスです。
内閣府は、住民と企業、国が一体となって作る「まるごと未来都市」という言い方をしてます。
まあ・・・、同じようなものですね。笑
とはいえ、未来都市といってもイマイチ「ピン」とこないですよね。
具体的に何かというと、IT用語ではありますが「ICT」「IoT」という言葉で説明できます。
IT(インフォメーションテクノロジー)は情報技術の意味ですが、
インターネットが生まれてからはICTと呼ばれるようになってきています。
ICT(インフォメーションコミュニケーションテクノロジー)とは情報伝達技術、
主にインターネットを使ったコミュニケーション技術を意味します。
そして、IoTはICTの成果物と言ってよいかもしれません。
IoTというのは、インターネットが組み込まれた家電などの製品・モノを指します。
そしてそれは家電だけに限らず、車や家、そして町全体にも組み込まれていくのですが、
そんなすべてにインターネットが組み込まれた街をざっくりとスマートシティと呼びます。
これは自然な技術発展の流れで行き着いた成果物なのです。
政府の陰謀ではありません。笑
スマートシティはもうすでに存在してる?
そういえば先日ツイッターで、
「#スーパーシティ法案に反対します」
というハッシュタグの付いたツイートがたくさん流れましたね。
ま、法案の話はまた後でします。。。
でも、スマートシティ自体はもうすでに動き出してますので、
「今さら声を上げたって遅いのでは?」って思うんですよね。
ていうか、あまりメリットがない。苦笑
柏の葉スマートシティ
例えば千葉県では「柏の葉スマートシティ」があります。
柏の葉スマートシティでは 、「公・民・学」の連携をベースにした、すべてのひとにオープンなプラットフォーム、解決のステージづくりをはじめています。「世界の未来像」がただの構想で終わらないために、この街が、この街の未来が、「世界の未来像」を先駆けるために。
低炭素社会など環境問題対応、新産業の創造、市民の健康が3本柱のようです。
まあ、なんとなく役所の都市計画の延長のような感じもしないこともないですが・・・。
そしてそれにからむゼネコンや大手Sierなどの企業と利権・・・とか、
そういう感じがしないでもないですが・・・。苦笑
ま、多分、基本構造はそういうことなんでしょうけど(苦笑)、
でも役所が規制緩和することで、さらに思い切ったことができるよってのが、
スマートシティ・スーパーシティなわけですね。
そこが今までの街づくりと違うところです。
あ、ちなみに千葉県以外にも日本各地にたくさんあるので、
調べてみるといいですよ。
トヨタのWovenCity
ところで、スマートシティで一番有名なのは、
CMでもやってましたが、トヨタのウーヴンシティかもしれません。
これがまた面白いんですよ。
え?トヨタ?
だったらトヨタウン(TOYOTOWN)でしょ?
と思う人もいるかもしれませんが、トヨタウンはただのトヨタ車販売店のことです。
危ねえ、うっかり見学に行くところだったぜ!笑
そうじゃなくて、トヨタのウーヴンシティ(Woven City)です。
人々の暮らしがすべて情報管理されている、小池百合子風に横文字で言うと、
サスティナブル(持続可能)なコネクテッドシティ(みんなが繋がる街)です。
これを富士の裾野に東京ドーム15個分の土地で展開して、
2000人くらいの人を新たに住まわせるというのです。
各家庭にロボットやaiだけでなくシェアリングサービスなども提供され、
道路には無人の自動運転車が普通に走行しており、当然道路交通・物流も効率化され、
地下には燃料電池が装備されていたりエネルギーも効率的に管理されている、
すべてがそこだけで完結されている街。
とにかく今までの都市構造とは異なる未来都市をリアルに作っちゃおうという計画です。
あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」を東富士(静岡県裾野市)に設置。「Woven City」と命名し、2021年初頭より着工
企業や研究者に幅広く参画いただき、CASE、AI、パーソナルモビリティ、ロボット等の実証を実施
デンマークの著名な建築家であるビャルケ・インゲルス氏が街の設計を担当
うーん、これは住んでみたい!
それとやっぱりスマートシティというインフラこそ田舎に作るべきだと思うんですよね。
今回の新型コ●ナ騒動で多くの会社がリモートでも仕事ができるということがわかりました。
拷問のように満員電車に乗って都会で働く必要はないわけです。
それが理解できた今こそ、田舎にスマートシティを作るべきだと思うのです。
幸せになれる人、喜ぶ人は多いと思うのですが、どうでしょうか?
ちなみに、このWovenCityプロジェクトは、
トヨタとNTTが資本提携してまで成し遂げたいプロジェクトなので成功間違いないでしょう!
富士山が噴火しない限り!苦笑
世界のスマートシティ
ちなみに日本だけじゃなくて海外でもスマートシティという概念は存在します。
それは内閣府の資料を見るのが一番早いかもしれません。
これをみると、各国が個人情報をビッグデータとして活用して、
効率的な都市運用をしています。
国全体というか一部の都市から始まってますね。
まず一部の狭い範囲で効率的に循環する都市をつくり、
それを徐々に国全体に広げていこうという感じですね。
やはり、交通・社会インフラなどをゼロから整えたり、
国民の個人情報を扱うだけに法整備が難しいでしょうから、
最初は特区で実証実験をしようということなのでしょう。
ま、とにかく、日本も早期にスマートシティを実現して、
それを仕組みとして輸出できるくらいのレベルに持って行かないと、
時代に乗り遅れますよ、日本の人々の生活は世界以下になっちゃいますよと、
そういった危機感も政府にあるんだろうなと思いますね。
なので個人的にも今さら止めるのはどうかと思うし、
日本のためにも止めない方がいいと思いますね。
スーパーシティ構想の何が問題なのか?
ところで、最初にも書いたのですが、ツイッターで、
「#スーパーシティ法案に反対します」
というハッシュタグの付いたツイートがたくさん流れた件。
ツイッターだけじゃなくても色々な人のブログなどでも、
スーパーシティ法案に反対する記事が目につきます。
とくにリベラルな人たちに不評ですねえ。
果たして、スーパーシティの何が問題なのでしょうか?
スーパーシティの話はかなり前からあったのに、なぜ今なのか?
恐らく、新型コ●ナ騒動の最中に法案成立させちゃったからでしょう。苦笑
つまりタイミングが悪かっただけではないかと。
だって、ずっと前からあった話ですから、
個人的には「何を今さら反対?」感が拭えません。
つまり、大反対することの実質的意義が見失われているようにも思います。
もっと言えば、政権倒したいだけでしょ?的というか、
SNS内の雰囲気に乗って反対しただけでしょ?
とか思ってしまうのです。。。苦笑
個人情報が簡単に取り出せちゃう恐怖
それはさておき、本質的な話として具体的に何が問題かを考えましょう。
って、それはもう偏に個人情報の問題なんですけどねー。
これは僕も懸案事項が多いと思っています。
すべての個人に関わる情報が、
すべて一度にまとめてポンと取り出せるインフラができるという意味ですからね。
個人に関わる情報の中でも、収入・税金・警察・医療などは、
むやみに他人に知らせたくないものも含まれますよね。
ま、そういう普段は絶対に開示されないような個人情報が、
公益など条件次第で本人の同意なく開示されてしまうことがこの法案の問題点なのです。
しかも、国だけじゃなくて民間企業にも開示されてしまうという・・・。
けっこう怖いですよね。
国や企業に悪意の人間がいないわけでもないですし。
ていうか一人二人は必ずいるわけで、そういう事件が昔から起こってるわけで、
なおかつ情報は一度でも流出したら、知られたら、もう元には戻りませんからね。
それくらい大切なものなのです。
もちろん、政府としては公益のための開示といっても、
相当厳格に運営していくと言ってますけどね。
とはいえ新型コ●ナで、暗に警察に自粛監視させてたような政府の言うことを、
どこまで信じられるかという話でして、疑えばキリがないのであります。
ここだけは今後、政府のやり方をキッチリと監視していかなければならないと思っています。
スーパーシティは当然の帰結
とはいえですね、スーパーシティ(スマートシティ)を否定するのは矛盾しているというか、
みんな自らスーパーシティ実現の方向へ向かっているのに、
それを批判するのはどうして?とも思ってしまうのです。
今の時代をよく観察してみればわかると思うのですが、
世の中はとても成熟してきていて、なるべく労働時間を減らして、
個人の自由な時間、楽しみを増やそうという時代になっています。
そのためには労働の時間を減らすだけでなく、
家事や育児労働の時間だったり、移動の時間やそれにかかるお金など、
とにかく省けるものは省こうという効率的な動きが顕著になっています。
シェアリングエコノミーが流行るのも効率を重視している結果です。
生活を充実させるため、時間的・経済的コストを省こうとしているのです。
ワークライフバランスの考え方ですね。
ちなみに労働が減ることでベーシックインカムの実現も近づくわけですね。
つまり、働かなくても生きていける世の中です。
これが究極ですよね。
そして、そこに向かっているわけです。
つまり、世の中の多くの人たちはさほど意識せずして、
効率的な持続可能な社会を目指そう目指そうとしているのです。
それにバッチリと沿ってるのがスマートシティなわけでして、
自分が向かってる方向を知らずに怖がって否定しちゃってる不思議さを、
個人的には感じてしまうわけです。
よって、物事は人の意見に流されず常に「本質」を考えないといけません。
すでに個人情報が収集され管理されてる現実
そして世の中を効率的にしようと思ったら情報管理は必須なのですが、
効率的な世の中ってのは実は全ての情報が管理された、
いわば管理社会だということに、もしかしたら気が付いてない人がいるのかもしれません。
例えば普段の行動などから「きわどい個人情報」が既に収集・管理されています。
実際スマホを持ち歩けば(自分でオフにしないかぎり)、
行動履歴などはGoogleさんに記録されてしまいます。
もしも、夜の店・風俗店などに家族に内緒で通っている人は、
もうすでに「性癖」が情報として管理されちゃってるでしょうね。
また、検索エンジンは誰が何を検索したかを細かく記録を取ってます。
ネットで買い物しないから大丈夫と思っても、
キャッシュレスで買い物をすれば確実に記録は残ります。
コンビニでバイトしたことがある人ならご存知でしょうけど、
レジでも買い物客の属性を手動で記録してますし、
もうすでに色んな情報は昔からキッチリ取られているのです。
なので「今さら何言ってるの?」的な話なのです。
そして取得した情報は使わないとまったく意味がないわけでして、
意味がないことを企業や国がやるわけがないのであります。
当然、既にいろんなところで利用されているわけですね。
例えばエネルギー、ガスや電力にしても、いつどの家がどれだけ使っているか、
これはある意味で個人情報なのかもしれませんが、でもこれを把握しておけば、
エネルギーの安定供給が可能になります。
将来的にも医療分野とか、どこに高齢者が住んでいて、
または重い病気の人が住んでいて、今どういう状態なのか、
脈拍は?血圧は?外出等の動きはあるか?それ等の情報をリアルタイムに知ることで、
事前に救急対応の準備を整えることもできます。
新型コ●ナにしてもアプリが話題ですが、
どこが混みあっているか、誰と接したか、
とてもセンシティブな個人情報ではありますが、
厳格な管理が担保されていれば非常に有用な情報になりうるのです。
こうして個人の生活が圧倒的に安全で便利になるのです。
無駄なリスク管理コストを省いた分だけ、楽しい生活を送れるのです。
「いや、無駄のある社会がいいんだ!」
という人は移住して田舎のポツンと一軒家に引っ込めばいいのです。
近代文明全部拒否、今はそれができる社会です。笑
信用スコアという怖くて便利なもの
他にも例を挙げればたくさんありますが、ほぼ個人情報とのトレードオフです。
でも、大きなメリット・恩恵を考えれば、
安心できる社会のために、すすんで個人情報を提供する人の方が多数ではないかと思うのですがどうでしょうか?
提供するための同調圧力のようなものを政府・マスコミが作らないようにする努力は必要ですけどね。
つまり、今さらスマートシティ反対というのは、
社会の流れからも逆行しているわけですから、
もはや、スマートシティというインフラありきで、
個人情報の管理は厳重に徹底するという方法を考えなければならない時期に来ているのです。
政府・政権の権力濫用につながるのか?
僕が思うに、管理社会に対して激しく文句を言う人の多くが、
政府の横暴を許さない的な極度に左翼的思考の人だったりします。
あまりに政治色強くこれを主張する人をみると、
あなたは革命でも起こすつもりですか?と疑いたくなります。苦笑
今の時代、家庭にさえ防犯カメラが当たり前になりつつありますが、
それさえも監視社会の始まりだ、など言う人は逆に怖いです。苦笑
つまり、監視社会って悪いことをする人にとって都合の悪い社会なんです。
そうでない人にとっては、至れり尽くせりで、しまいには労働も減ったりするわけです。
平和に暮らしたい人はむしろ管理された社会の方が安心なのです。
もちろん情報が厳格に管理されていれば、ですよ。
しかも、こういう社会というのは支配側の首さえ絞めるんです。
その点をもっとよく考察するべきです。
信用スコアはオープンに運用するべし
でも個人的にちょっとだけ気になっていることがあります。
それは信用スコアというものが運用され始めて、
しかも、おかしな価値観で人がランク付けされてしまわないかということです。
信用スコアというのは、主に融資の際に利用される、その人の信用力・点数です。
それが、各種の膨大な個人情報を収集して一括管理・分析できるようになると、
いつか融資以外にも利用されるようになるだろうと思うのです。
ちなみに住宅ローンとか融資の審査基準って非公開ですよね。
それって実は「基準がフェアじゃないよ」って暗に暴露してるのと同じです。
スマートシティにおいては、そういうスタンスは認められないって話です。
情報を管理する側の管理基準、評価基準は完全オープンでないといけません。
例えば、それこそ時の政府にとって不都合な考え方の人は、信用スコアを落とすとかね。
中国がやりそうっていうか、すでにやってますよね。
管理側の恣意的な運用ができてしまうのです。
そういうことになると問題ですから、
個人情報は厳格に管理しても信用スコアやそのルールなどは、
完全にオープンにされるべきだなと思っています。
そこは国民が監視していかなければならないでしょうね。
さて、いろいろと問題・懸案事項はあるのですが、それによって得られる恩恵は莫大なスマートシティ。
ゆくゆくはベーシックインカムにもつながる可能性も秘めております。
いやいや、国家戦略特区諮問会議に竹中さんがいる限り、
ベーシックインカムどころか格差社会が益々広がる、
国民総奴隷・搾取社会が始まるという話もありますが、どうでしょうか?笑
僕はさほどネガティブにとらえてないんですが、皆様はいかがでしょうか?