僕の仕事はエンジニアなんですが。
ただプログラムを作っているだけならラクでいいですよ。
でも、自営業ですから、「営業活動」をしなければなりません。
ぼくは人づきあいが得意ではないので、営業活動ってあまり好きではありませんでした。
独立する際の一番の懸案事項は、営業活動でした。。。
いや、しかし、そんなこと言ってる人が、よく脱サラして独立なんかしましたよねえ。笑
目次
ハウスメーカーの営業マンになりたいなあ
ぼくは若い頃、けっこう転職しました。
でも、最後にたどり着いたIT業界はハマりましたね。
まさに天職で、20代後半からずっとIT業界におります。
でも、積水ハウスで家を建てたくらいから、ふと思うことがありまして。
エンジニアもいいけど、ハウスメーカーの営業マンっていい仕事だなあって。苦笑
契約さえ取れれば、平日に営業行ってきまーす、とか言いつつ、
ぶらぶらと海や山をドライブとかできるんだろうな、とか。笑
相変わらず、オバカなことを言ってる自分ですが。
「住宅営業をナメるんじゃねえ! ブラックだぞ!耐えられんのか!?」
って業界の人から言われそうですねー。
というわけで、今日は、もしも僕がハウスメーカーの営業マンの立場なら、
顧客対応をどうするだろうな、という話。
僕の場合、独立して自営業をしてますから営業活動もするわけで、少しは営業の大変さがわかります。
相手のある仕事ですからね、自分が思ったようには行きません。
その辺の話を、したいと思います。
予算を言わない客はNGなのか?
まず、ぼくがITの仕事でお客さんからヒアリングする際の、最重要ポイントの1つ。
それが、予算です。
でも、いきなりお客さんに予算を聞くのは失礼なので、まずは、ご要望をうかがってから最後に予算を聞きます。
たまに、ハウスメーカーの営業マンで、いきなり予算を聞く人いますけど、自分本位ですね。(気持ちわかりますが…。)
施主としては、どんな家を建てたいのか話したくてウズウズしてるわけでして
そこへきて、いきなりカネかよ!ってガクっとくるわけです。笑
「まず、アンケート書け」って言われても、なんだかなあってなります。
客からすれば、まずは「オ・レ・の・は・な・し・を・き・けぇ~♪」となるわけです。
じゃあ、最後に「予算は?」って聞かれたとします。
「予算を聞くなよ」っていうお客さんもいますが、これね、営業する立場から言うと、絶対に聞きます。
予算は重要なんですよ。
もちろん、お客さんが予算を決めてない場合は、決めてないということがわかるだけでOKです。
さらに言えば、お客さんが正直に言うかどうかは別として、予算さえ明示してくれれば、
「その予算なら、これくらいまでできますよ」ってことを説明することができます。
逆に、予算が足りなければ、「それだと厳しいです、ウチでは無理です」って伝えることができます。
精度の高い提案ができるんです。
とはいえ、予算を正直に言わないお客さん、予算がわからないというお客さんを、非難する営業さんもいます。
「それだと話にならない」みたいな、あからさまにやる気をなくす営業さんとか最低です。
ぼくは、それは自分勝手だなあと思うんですよねー。
予算を伝えないのは、あなたを信用してないからですよ、と言いたい。
あくまでも営業の立場としては、例え嘘でも、その時に聞いた予算の範囲で「できること」を考えればよいわけです。
ちょっと儲けてやろうとか、または、本来の顧客予算を目いっぱい引き出そうとかいう発想は、確実に信頼をなくします。
または、予算がわからないと言われたら、要望をヒアリングして、だいたいの予算感を伝えればよいだけの話。
少なくとも、
「こういう感じの家なら、過去の実績から〇〇〇〇円くらいで提供してます」
とか、
「20代のお客様だと平均で、〇〇〇〇円から〇〇〇〇円くらいの範囲が多いです」
とか、
顧客が予算感をイメージできるように説明してほしいですね。
あと、「ピンキリだ」とか言って絶対に金額を言わない営業マンがいます。
坪単価を言う営業マンもいるんですが、それも明確なイメージがしにくく、イマイチ信用できないですね。
ぼくなら、ちゃんと金額を出しますねー。
お客さんが予算を伝えてくれても、伝えてくれなくても、それ自体は大きな問題ではないと思いますね。
見積もりをやたら要求する顧客はNGなのか?
ところで営業マンは、予算を聞いたり、要望を聞いたりしますよね。
原則として、そのヒアリングの時間って無償なんです。
いや、契約を取るまでの行動って、すべて無償なのです。
見積もりを書くのも無償です。
これね、正直なところ、僕のように個人の会社の営業活動としては、気が重くなる期間なんですよ。。。
本当に契約が取れるかどうかわからないし、もしも失注したら、
ヒアリングした時間、調査した時間、積算書を作った時間、
全部、無駄になってしまうわけです。
単純計算をしましょう。
仮にハウスメーカーの設計さんの年俸が1000万円だとします。
1日かけて積算書を作りましたって場合、4万円くらいのコストがかかってるわけです。
(実際は会社の間接費とかもあるし年俸以上にかかってると思いますが。)
自分もそうなんです。
2,3日かけて気合入れて提案書を作ったのに失注しちゃったときなんか、
もうぐったりです。
と同時に、巨額のお金が飛んでいくわけです。。。泣
なので、軽い感じで何度も「積算ください」って言われると、
いやあ、積算ってそんなに簡単に書けるものではないんですよって思っちゃうんです。。。
まして他社さんの提案書を見せられて、
この内容で、これよりも安く積算つくれます?なんて言われたら、
このお客さんはヤバイなって思っちゃいますね。
他社さんと言えど、苦労して作った積算書でしょうからね。
「あ、これ、自分も同じことを知らない場所でヤラれるな」って思っちゃいますね。
まあ常連で、かつ仲の良いお客さんならOKですけどね。
初めてのお客さんで、いきなりこれをやられたら、ドン引きします。
もちろん、ぼくのような個人事業の会社と、住林さんや積水ハウスさんのような大手企業では異なります。
大手は必要経費として、きっちりと予算取りしてますからね。
個人でもある程度は予算取ってますけど、生活に直結しますから、そんなに潤沢には予算は取れないのです。苦笑
でも、ハウスメーカー側のコストとしても、契約までのコストって、けっこうかかっているんだということを知っておいても損はしないかなって思います。
細か~い希望を言ってくる顧客はNG?
さて、契約が無事に終わりました。
設計の打ち合わせに入ります。
営業的な目線では、ここで仕様が膨らんでくれた方が売り上げが増えて嬉しいんですよ。笑
でも、仕様があまりに膨らむと、技術的に不安になってくるわけです。
「そんなことできたっけ?」
「そんなことしたら、あとから故障するかも?」
「クレームになるかも?」
とか、色々不安になってくるのです。
「売上が増えても、利益にならねえな」とか、いろいろ考えるわけです。
でもね、仕様が複雑になっても、腕があれば(技術があれば)問題ないんです。
逆に会社の技術に不安があると、「それ、やめましょうよ」って顧客に言いたくなるんです。
例えば、僕のお客さんでもやたらとITに詳しい人がいます。
ハウスメーカーでも、すごく研究してくるお客さんっていると思うんですよ。
そういう人に対して「素人のくせに何言ってんだ、間取りとか考えてくるんじゃねえよ」っていうハウスメーカーがいたら、かなりヤバいと思いますね。苦笑
って、そんなハウスメーカーは無いと思いますけどね、例えの話です。
そもそも「素人のくせに!」と、思うのであれば、素人のさんの考えを、やんわり否定してあげればよいわけです。
「この間取りだと、こういう問題がありますよ」って、教えてあげれば、はい終了です。
ぼくは、そういうスタンスです。
たまに、僕より詳しいお客さんもいますが、そういう時は、正直に「知りませんでした」と言いますし。
でも、それを知らないことが致命的であれば、契約を切られるでしょうし、
むしろ契約を切られた方が、お互いのためなわけでして。。。
もちろん顧客の無理な要求もあると思いますよ。
素人の分際で、明らかにあとで欠陥などの問題になるだろう無理なプランを作れと言ってくる。
ハウスメーカーさんも、そりゃあムカつくと思いますよ。苦笑
でも、無理かどうかは、最初にかかっているわけで、契約前の営業段階で、
「はい、多分実現可能ですよー。」
なんて契約を取りたいがために軽はずみに言っちゃうと、後からトラブルになるわけです。
「最初に『できる』って言ったよね!?」
となるわけですから、そういうことは最初に確認しておくべきだったんですよね。
なので、契約前のコストは無駄だからって、限りなく時間や手間を省略して、
何が何でも早々に契約を取って、契約後になんとかしよう、なんとかできる!って考えの営業さんは要注意なんです。
こだわる人ほど、契約前に時間を取らないとダメです。
一方、僕の仕事の場合も同じでして、あまりに要求が細かいと、時間ばかりかかって利益にならなかったり、
または、技術的に対応できないということも実際あるわけで。
なので、やっぱり最初が肝心だと思ってます。
僕の場合、「細かい顧客だなー」と思ったら、契約する前の打ち合わせを多めに取りますね。
正直、細かい顧客は、色々な話をじくりとすれば、だいたいわかります。
あと、ヤバイ細かさの人は、人としてヤバイところがあります。。。苦笑
で、顧客と営業・作る側の意識の差、溝を埋めて、ある程度相互理解が進んだら契約しますね。
じゃないと、あとで苦労しますからね。
なので、細かいお客さんは、即NGではないし、むしろ、時間をかけての相互に理解することで、
トラブルなく対応できるというのが僕の考え方ですね。
あとから仕様変更を連発する顧客はNG?
ちなみに、仕様が複雑になればなるほど、
あとになって「やっぱり、ここは変更したい」というケースが増えます。
我が家も、かなり後から変更してもらった部分が多いです。
ハウスメーカーさんも大変だったと思いますが、でも、ここで
「また変更かよ・・・」
って嫌な顔をされる顧客の方がもっと辛いんですよね。。。
そもそも、ハウスメーカーって、最初に、そういう説明をあまりしないです。
「打ち合わせは何回までOKですか?」と聞くと、
大手ほど「何回でも大丈夫です。」
と、言うと思います。
または、
「だいたい〇ヶ月くらい時間を取りますが、多くのお客様はその期間内に決定されます。」
とか、曖昧な言い方をされます。
これ、回答になってないんですよね。。。苦笑
だったら、「いついつまでに決定しない場合は、追加費用になります」とか言ってくれた方がまだやりやすいです。
実際、追加費用になっちゃうわけですから。苦笑
ハウスメーカーの設定した期限のようなものがあるなら、先に教えてくれないと不安で前に進めません。
お互いちょうどよい落としどころを探り合ったりするのもバカバカしいですしね。
なので最初からオープンに期限を設定すればいいのになと思います。
ちなみに僕の仕事でも、仕様が複雑なのは、まあ「よし」としても、
後から仕様が変更になるって、実は、けっこうキツイんですよ。苦笑
いや、かなりキツイですね。
なので、僕の仕事の場合は、仕様変更になった場合は追加費用になることを、最初に説明します。
もちろん、それまでにかかった時間や、それまでに仕上げた成果物にもよりますけどね。
追加費用を頂くのが、一番、お互いスッキリするんです。
つまり、あとで仕様変更する顧客がNGなのではなくて、
仕様変更した時に、お互いに納得できる選択肢を最初に決めておくことが大切なんです。
高い買い物ですからね、少々の追加費用が発生しても、そこは変更したいってあるはずですからね。。。
さて、かなり長々と書きましたが、なんだか住林さんとの家づくり当時のことをいろいろ思い出してしまいました。
また機会があれば、上に書いたようなことを注意して家づくりしてみたいですね。。。
宝くじ当たらないかなあ。笑