コロリさんが天国へ旅立ちました。
星になったコロリさん。
通称コロスケ。
年齢不詳のクールな乙女。
こう見えて県内のチャンピオン犬。
推定8~10歳くらいの時に妻の実家から我が家にやってきました。
左耳が欠けているのはウチに来る前に友達にカジられたらしい。(ドラえもんか!)
いちおう登録上は16歳ということになっているけど、
でも本当は20歳近いのではないかと言われていたコロリさん。
先日、コロリさんの父親、母親、
そして、コロリさんの子供たちが待っている天国へ向かいました。
子供たちより長生きのコロリさんは、
本当に長く生きたのだと思います。
目次
兆候
コロリさんの様子が急に変わったのは、
旅立ちの数日くらい前でしょうか。
昼間から理由もなく延々とワンワンと鳴きだしたのです。
そりゃもう、やかましいのなんのって、
自宅が職場の僕は仕事になりません。苦笑
トイレのため外に出たいのかと思って外に出すと、
しばらくして、また外でワンワンと鳴きます。
あまり外で延々と鳴かれると近所迷惑ですし、
下手したら昨今では虐待を疑われますし、、、
でも近くによってコロリさんの様子を見ても、
なにも原因がわからないのです。
もう足腰が立たない
我が家は1年ほど前に新居に引っ越したのですが、
引っ越す前からコロリさんは既に散歩ができなくなっていました。
もちろん自分で立って歩けますが、
リードを付けての散歩はできなくなったという意味です。
なぜなら、人間の一歩分を歩くのに、コロリさんは1分くらいかかります。。。汗
「早く歩け」とリードを引っ張ったりしたら死んじゃいそうなので、
リードを付けるのも怖いくらいでした。
ほんとに。。。汗
でも、引っ越し先は幸いでした。
今度の家は広い庭があります。
そこで自由に歩き回れたのです。
1日の90%くらい寝ていただろうコロリさんも、
庭に出ていた3時間のうち1時間くらいは、
超スローペースで、ノソノソと歩き回っていました。
わかりやすく言うと「スローモーション」です。
ボーっと立ってるなあと思って、
5分後にちらっと見ると、
少し動いているという。。。苦笑
人間もそうですが足腰が弱って歩けなくなると、
いよいよかな?って感じですよね。
残念ですけどね。
コロリさんは不死身かと思っていた
でも、コロリさんは強かったのです。
ついに、その時が来たかと思って、はや数年。笑
この生命力の強さは動物病院の先生もビックリするほどで、
僕は正直「コロスケは不死身だ」と思っていました。笑
または「化け犬」で既に化けてるから、死なないんだなと、
そう思っていたのです。笑
だってコロリさんの子供たちは全員天国に旅立っているのですから、
それだけでもビックリですよね。
しかもコロリさんは乳がんの手術もしてますし、
心臓病の薬もここ数年毎日飲んでいたくらいです。
過去に何度となく発作が起こり、
ニトログリセリンで生き返るという、
そんな状態です。
犬も認知症になるそうです
実は、歳を取るにつれてやたらと鳴く現象は、
以前から頻繁にありました。
いや、本当はなにか理由があるんでしょう。
年老いているため、どこかが痛いのか、
死の恐怖に怯えているという人もいますが、
それはコロリさんに聞いてみないとわかりません。
なにか原因があるんでしょうけど推測するのみ。
しかし、高齢になると犬も人と同じく認知症が発症して、
意味もなく無駄に鳴くことがあるそうです。
そういえば、体を洗う時には、ずっと鳴くようになりましたし、
ご飯の前もやたらと鳴くようになりました。
注意してもまったくの無駄で、鳴きやみませんでした。
明らかに感情(と言っていいのか?)をあらわにするようになった気がします。
認知症の人が怒りっぽくなるのと似てるんでしょうか。。。
認知症だとすれば打つ手なし
以前に妻がコロリさんを動物病院で診てもらったら、
かなり脳がスカスカですという衝撃の診断結果が返ってきたそうです。
となると、もうやむを得ないのかもしれません。
打つ手がないということでしょう。
ある意味覚悟はしていたのですが、
この「鳴き」は想像以上にハードです。
夜中の2時とか早朝に鳴かれると、かなりキツイです。
でも、だんだん慣れてきて、
しばらくすると鳴き止むので、
もう放っておくしかないと思っていた矢先、
お迎えの日がやってきたのです。
気圧が変わると体調が崩れるのは犬も人も同じ
10月12日、今年2度目の台風直撃の日です。
台風15号が、超・恐ろしかったですから、
今回の台風は気を紛らすために、
映画を2,3本ほど見ながら台風をやり過ごすことにしました。
実は、3日ほど前からコロスケは後ろ足に力が入らず、
立てないような状態でした。
正直な話、妻も僕も、動物病院の先生が言うように、
「いよいよかもしれない」と思っていました。
しかも気圧が変わると体調が悪くなりやすいという話を聞きますが、
それって犬にも当てはまるようですね。
動物病院の先生がそう言っていたと妻が言ってました。
でも、まさか本当に台風の日に体調を壊し、
お迎えが来るとは思ってもみませんでした。
そして、その時は映画を見ていました。
風が最も強くなってきた時間です。
出発時間「2019年10月12日 夜」
映画を見てましたら、
コロスケが一声、二声、ワンワンと鳴きました。
映画を見ながらウトウトしていた妻が、
ソファから起きてコロスケのところに行きます。
ぼくは、「いつもの」が始まったと思いました。
でも今回は「いつもの」ではありませんでした。
「なにか様子がおかしいよ、もしかしたらヤバイかも!」
と妻が言うので近くに行ってみると、
確かにもう体がフニャフニャで、
まったく力が入らないようでした。
今日の昼までは、前足だけはしっかりしていたんですが、
今はもうフニャフニャです。
まったく体は動かせない状態で、
せいぜい口がパクパクする程度。
心臓発作かと思って妻がニトロを持ってきて口に含ませてもダメ、
水がほしいのかと水を与えてもダメでした。
そしてそれがまさに死水となったのでした。
最後、口のパクパクもしなくなり、コロリさんは天国へと旅立ったのです。
目を閉じて歯を出した顔は、まさに眠っているかのようでした。
いや、こういう寝顔の時もありましたから、
寝たのかもしれません。。。
静かな朝
コロスケの寝顔を見て、
ふと思いました。
明日の朝、もしかしたら目を覚ますかもしれない、
「300歳のコロリさんならあり得る!」
そう思ったのです。
化け犬コロリさんなら、もしかしたら生き返るかも!
けっこう真面目にそう思いました。
コロスケは本当に強い犬でしたからね。
でも、こんなになってまで生きててつらいだろうな。。。
僕には3年ほど意識がなく寝たきりだった父親がいました。
当時は意識不明でも生きててくれればそれでよいと思っていましたが、
本人はどう思っただろうか?
意識が無いからわからないですよね。
もしも、「実は辛かった」としたら、
無理に生き長らえさせることは罪ではないのか、
などなど、亡くなってから考えたものです。。。
とりあえず、その日は眠りました。
そして朝を迎えました。
台風一過でとても晴れた清々しい朝でした。
しかし、静かな朝でした。
ここ最近はいつも早朝にワンワンと泣き叫ぶのですが、静かな朝でした。
この時ばかりは、あのウルサイ鳴き声がないことを寂しく思いました。
「こんなに悲しい朝はない。」と思いました。
コロスケを見ると、すべての足が冷たくなって、固くなってました。
顔を見ると寝てるみたいでしたが、やはり昨日の夜に旅立ったようでした。
旅立つ3か月前くらいは、まだヨタヨタながら庭を歩いていたものです。
芝生の草をしゃがんでむしっている時、
ふと横を見るとコロスケが、いつの間にかすぐ隣にいて、
「うわぁ、コロスケ!いつの間に! ご飯はまだだぞ!」
なんてこともありました。笑
もう、そういうこともないんだなあと思うと、やはり寂しいものです。
しかし、父の時もそうでしたが、
「もう、この世界のどこにもいないんだ・・・。」
という思いは寂しさというよりも、神々しさを覚えるのが不思議です。
「死は全ての終わりではない」という感覚が、そう思わせるのかもしれません。