リバースモーゲージのメリット・デメリットを検証

お宅訪問などの家関係のテレビを見てますと、

ちょいちょい「リバーズモーゲージ」のテレビCMが流れます。

CMでは老夫婦が喜んでいる絵が流れるんですが、

なんとなく「怪しいなあ」と思っていました。苦笑

 

というのも、

「なんだこれは? 高齢者用ローンか?騙されてるんじゃないの?」

程度の知識と偏見しかなかったからです。

 

でも、ふと思い立ってリバースモーゲージについて調べてみたら、

大学の授業で習った根抵当の仕組みと同じなんだー、

と思いまして少し興味が出ましたので、

リバーズモーゲージが本当に「使える」のか「使えない」のか、

もう少しよ~く調べてみることにしたのです。

 

リバースモーゲージとは?

そのテレビCMは東京スター銀行のリバースモーゲージだったのですが、

高齢化社会を見込んでるのか最近は色んな銀行で同様の商品が出ているようです。

りそなや三井住友などでも用意されてるみたい。

では、どんな人が利用するのかというと、

 

  • 定年後、住宅ローンの返済が厳しくなった人
  • 定年後、年金だけでは生活資金が苦しい人
  • 定年後、住み替えや移住、リフォームの資金がほしい人
  • 定年後、老人ホームに入る資金がほしい人(自宅は賃貸)
  • 定年後、税金対策で生前贈与するための資金がほしい人

 

などなど、主に定年後の夫婦が対象ようです。

実際、年齢条件も50歳以上、60歳以上などとなっているようです。

 

ちなみに、フラット35で有名な住宅金融支援機構からも、

リ・バース60という住宅専用のリバースモーゲージの商品が出てますが、

資金使途を住宅のリフォームや建築に限定しているようですね。

 

で、リバースモーゲージでは、どのような仕組みで資金調達がきでるかと言うと、

単に自宅を担保にお金を借りるという、ただそれだけみたいです。

 

ただし普通の住宅ローンのシステムと異なるのは、

お金を借りても元本を払う必要がなく、利息の支払いだけで良いのです。

ただし、自分が死んだら現金・預金などの財産や、

担保にいれた自宅を売却して元本を一括完済するという仕組みらしいです。

 

また、もしも夫婦のどちらかが先に亡くなっても、

残った夫か妻のどちらかがこれを引き継げるそうです。

あと、当然のことながら死後に手持ち資金で一括返済できれば、

自宅を売却しなくてもOKですし、

もちろん、死ぬ前に返済してもOKです。

 

リバースモーゲージのシミュレーション

では、具体的なモデルケースでシミュレーションしてみましょう。

例えば、65歳の定年退職夫婦が家をバリアフリーにリフォームしたい場合を考えます。

手持ち資金がなく、リフォーム費用の1000万円銀行で10年ローンで借りると、

毎月10万円くらい払わなければなりません。

夫婦の年金が二人で15万円とすると、

これではローン地獄になってしまい生きていけません。

年金が二人で10万円くらいの夫婦もいると思いますしね。

 

でも、もしも築20年で担保価値1000万円の家だった場合。

リバースモーゲージを使って金利は高いけど1000万円を借りることができます。

当然この1000万円は、死ぬまで返済しなくてOK。

でも、利息だけは払わなければなりませんから、

金利2.5%ならば毎月約2万円を払うことになります。

本来なら毎月10万円を支払わなければならないところを、

毎月2万円でバリアフリーのリフォーム済み住宅で暮らすことができるのです。

 

老後の住宅ローン支払いをシミュレーション

念のため補足ですが、

上のケースは住宅ローンを完済している場合です。

 

では、住宅ローンが完済できていない人の場合はどうか?

リフォームをするどころか、

定年後の住宅ローンで苦しむという可能性もあります。

そういう場合にもリバースモーゲージが利用できるのです。

 

例えば、先ほどの夫婦同様、

築20年の担保価値1000万円の家を持っているとして、

まだ住宅ローンが10年で1000万円ほど残っていたとします。

住宅ローンの返済は月々10万円です。

 

定年後の年金収入が夫婦で15万円としたら、

毎月10万円の住宅ローンは非常に大きな負担になります。

そこでリバスモーゲージを使って1000万円を借り、

住宅ローンを繰り上げ返済してしまうのです。

 

結局1000万円を返済してまた借りるので同じことではあるのですが、

利息返済のみでOKですから、毎月の返済を8万円減らして、

月々2万円に抑えることができるのです。

 

リバースモーゲージ以外の選択肢もある

ところで、まだ動ける健康なうちから夫婦で高齢者向け住宅で暮らした方が、

便利でラクチンだし楽しくて良い、

という夫婦も最近の傾向としてあるようです。

(ウチの実家の母親の元気な友達が高齢者向けの住宅に入ったそうです。)

確かにシニア向けの施設はかなりたくさん存在しますね。

 

とはいえ、シニア向け施設って初期費用などがかなり高いものもあるので、

その入居資金をリバースモーゲージで調達するケースもあるようです。

家には住まないけど、念のため家は残しておきたいという場合ですね。

嫌になって家に帰りたくなるかもしれませんし。苦笑

 

そして、その間は家を賃貸に出せば家賃収入も入ります。

もちろん空き室リスクもありますし、

固定資産税やメンテナンス費用はかさみますけど、

空き家のまま放置するよりは良いですね。

 

あと、家を残す必要さえもないのなら、

家を売却して資金を得る方法もあります。

通常は金融機関が決めた家の担保価値よりも高く売れることが多いですから、

リバースモーゲージよりも売却の方が調達資金が増える可能性もあります。

 

ただし、不動産買取業者に直接売ると、

希望額以下で安く買いたたかれちゃう可能性が高いので、

急いでなければ規模価格でゆっくりと売却したほうが良いと思います。

 

リバーズモーゲージのデメリット

というわけで、これからの日本、高齢者の生活はどうなるかわかりませんが、

リバースモーゲージという選択も、場合によっては検討対象なのかなあと思いました。

でも、調べてみるとデメリットもあるようです。

 

例えば、リバースモーゲージがあるからと老後も安心だとか思っていると、

そもそも自分たちの条件では借りられないということもあるようです。

そこは銀行も商売ですから、返済の見込みのない人や、

毎月の収入(年金)の少ない人には貸さない可能性もあります。

 

さらに、担保価値の分だけ貸してくれるとしても、

貸してくれる金額は想像よりもかなり低いようです。

例えば、売れば1000万円になる家なのに、

リバースモーゲージでは500万円くらいしか借りられないとか、

半分程度の金額になってしまうこともあるようです。

 

そして、ただでさえ貸してくれる金額が少ないのに、

毎年担保評価は見直されて、場合によっては、

担保割れした分を支払えと言われることもあるようです。

 

思うに、リバースモーゲージと言えど所詮、ただの借金です。

しかも住宅ローンよりも金利が高いので、損か得かで言えば損です。

さらに長生きすればするだけ、利息だけを延々と死ぬまで払い続けなければなりません。

 

仮に60歳からリバーズモーゲージを1000万円借りて、

100歳まで40年も生きてしまったら、

なんと利息だけで960万円を払うことになります。苦笑

まあ、元本が延々と減りませんから当然ですけども、

長生きすると損をするというおかしな現象が起きます。。。

 

最終的な結論としては、背に腹は代えられませんし、

いざという時には選択肢の一つになるかもしれませんが、

なるべくなら、リバースモーゲージに頼らないような老後設計をしておきたいなと思いましたね。

まあ、こうした金融商品もだんだんと進化しますから、

僕らが定年する20年後には使い勝手がよくなってるかもしれませんけどね。

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