台風が過ぎ、被害家屋の屋根の補修も終わらない中、
悪質なリフォーム詐欺の情報がいろいろ入ってきました。
テレビなどのニュースでも取り上げられてますが、
悪徳業者が勝手に屋根を登り、雑に補修して、
強引に費用請求をするというパターンが多発してるようです。
強引だなと思った時点で、即・110番、警察へ通報でOKですからね!
ウチもあれから何人くらい業者さんが来たでしょう。
ドアホンデータに作業服を着た人が何人も残ってますが、
もう面倒なので無視してます。。。
留守電もリフォーム業者から何本も入ってますが、
ほぼ全部、迷惑電話登録してます。
ていうか、自分から営業に来る業者は無視で良いと思うんんですよね。
この時期は弱みに付け込む怪しい業者がワンサカいるので、
善良な業者か、悪徳なのか区別がつきません。
知り合いや近所の人の紹介などで良い業者を探すのがベターかもしれませんね。
目次
四角い総二階の家は最強だ!(?)
さて、今日は先日の総二階の話の続きといえば続きですが、
四角い総二階の家は災害に強いのか?って話です。
こちらは先日のブログ。
台風や地震、自宅がどこまで自然災害に耐えられるかは、
このご時世、ますます巨大化する災害を見るにつけ、
なかなか予測ができませんよね。
なので、なるべくなら設計段階で「災害に強い家」を極力考慮しておきたいというのは、
多くの皆さんが考えることかと思います。
ところで、四角い総二階の家って構造的には災害に強いと言われてます。
一言でいえばバランスが良いので壊れにくいってことですね。
あと、前回書いたように見た目も工夫次第で格好良くなりますから、
四角い総二階の家は最強なのです!笑
四角い総二階の家は偏心率が低いから頑丈!
では、なぜ四角い総二階の家が災害に強いのか、
具体的な話をしたいと思います。
まず、偏心率の話からはじめましょう。
家には中心が2つありまして、ひとつは家の図面・平面上の中心(重心)と、
家の横からのチカラに対するバランス上の中心(剛心)です。
重心と剛心、それぞれの位置のズレの度合いを偏心率と呼びます。
偏心率が小さければ小さいほど頑丈な家となります。
ちなみに、偏心率が高く、重心と剛心の位置が離れていればいるほど、
ねじり抵抗が下がり、揺れやすく弱い家になってしまいます。
そして、この偏心率が一般に低いのが四角い総二階の家なのです。
だって四角ですからね、偏りにくいです。
まあ、細かい話をすれば個別の間取りによって偏心率は変わるのですが、
一般的に四角い形の総二階であれば、
重心と剛心が大きくずれることはありません。
一方で、我が家の当初のプランのL字型の家とか、
またはデザイン重視の歪な形の家は、
重心と剛心が大きくずれる可能性が高く、
ちゃんと補強策なども考えて設計しないと、
弱い家になってしまうので注意が必要なのです。
直下率が高いほど災害に強いのか?
もう一つあるのが「直下率」という考え方です。
直下率が高ければ高いほど一般に頑丈な家と言えます。
過去の大地震で倒壊した家の多くは、
直下率が低かったというデータもあるようです。
直下率と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、
とても簡単な話でして、一階と二階の図面を見比べて、
柱と(耐力)壁の位置が上下で同じ位置にあるかどうか?
その割合のことを直下率と呼びます。
なぜ、直下率が高い方が良いかと言うと、
梁の上に多くの柱や壁を置くと梁の負担が大きくなりますので、
なるべく柱の上に柱が、壁の上に壁が来るように設計しましょうということですね。
ちなみに、直下率は60%以上あるのが望ましいと言われていますが、
質や設計の問題もあるので、一概に直下率が高いから頑丈だとは言えないようなので注意です。
さらに、今回のテーマ、四角い総二階の家だからと言って、
直下率が高いとも言えませんので、
そこは間取り(設計)次第ということになります。
確かに四角い家の4隅に1,2階を突き抜けた通し柱が入って、
見るからに安定した感じに見えますが、
それは直下率と言うよりむしろ偏心率の話になります。
逆に直下率が気になると言えば、
大きなキャンティレバーのある家とかは、
気を付けないと直下率が下がりますよね。。。
ただし、先ほどの偏心率と同じく、
こういう家がダメと言うわけではないですし、
しっかり強度を計算して設計しないといけないということなので、
要は設計さん次第ということになりますねー♪
ビッグフレーム(BF)工法と直下率の問題
ところで、直下率の話になると気になるのが住友林業の家です。
我が家もそうなのですが、住友林業のウリと言えば、
ビッグフレーム工法(BF工法)です。
住林のBF工法で家を建てた人なら、気が付いているかもしれませんが、
1階と2階とで異なる位置にビッグコラムが立ってませんでしたか?
我が家もそうなんですが、ビッグフレーム工法だと四角い総二階でも、
四隅に通し柱もなければ、直下率もあまり気にしてない間取りなんですよね。。。
これ、大丈夫でしょうか?
住林BFは高層ビル建築と同じ梁勝ちラーメン工法
結論から言うと大丈夫のようです。
というのも住林のビッグフレーム工法は、
高層ビル建築と同じ梁勝ちラーメン工法なのです。
ラーメンってなんですか?
豚骨ですよね?
って話になるんですが、
驚くことに豚骨ラーメンではなく、ドイツ語で額縁の意味だそうです。
額縁、つまり、フレームですね。
具体的には強固な梁と強固な柱が剛接合(きわめて強く接合・接着)された構造のことです。
柱と梁が一体となったフレーム構造で支えるイメージですね。
なので、途中でバキッと折れるような細い梁や柱は最初から使用できません。
とくにラーメン工法ではその特性上、梁よりも柱を強固にしますので、
それで住林のビッグコラムは、やたらと太いんですねー。
一般的には四角い総二階が災害に有利だけど・・・
そして、この太い柱と梁、そして両者が剛接合された骨組みが、
「直下率などどうでもいいわ!」と言わんばかりの頑丈さを担保しているのです。
さらに、梁と梁の間に配置するビッグコラムの位置も、
あまり直下率を気にせず自由に動かせることで、
BF工法は間取りの自由さも提供してくれるのです!
そして梁と柱のフレームで全てを支え、しかも、1つや2つの梁や柱が破損しても、
それ以外の梁と柱で支えるということもできたりする強度を誇るのが、
梁勝ちラーメン工法なのです。
だからこそ木造で高層ビルを建てることができちゃうわけなんですねー。
住友林業株式会社(社長:市川 晃 本社:東京都千代田区)は2018年2月20日に会社設立70周年を迎えます。
この節目の年に、1691(元禄4)年の創業から350周年を迎える2041年を目標に高さ350mの木造超高層建築物を実現する構想W350計画をまとめました。
高層建築物の木造化・木質化と街を森にかえる環境木化都市の実現をめざします。
この構想計画は当社研究開発機関の筑波研究所を中心にまとめ、建築構法、環境配慮技術、使用部材や資源となる樹木の開発など未来技術へのロードマップとし、木造建築物の可能性を広げていきます。
それを考えると、住林に限って言えば、
別に総二階じゃなくても災害に強いってことになるんですけどね。。。
ま、住林にするならBF工法で建てろというのは、こういうことなんでしょうね。
というわけで話を戻しますと、ケースバイケースで例外はありますが、
一般的な木造軸受工法では四角い総二階の方が頑丈になりやすい、
住林のBF工法は例外!ってことを覚えておけばよいのかなって思います。
以上、参考になれば幸いです。