再び家づくりを始めるにあたり、家の広さは、とても大きなポイントでした。
なぜなら、2軒目の積水ハウスの家では、
LDKが思ったよりも狭いということに、
(最悪なことに)住んでから実感してしまったからです。
もちろん、積水ハウスが悪いわけではなく、
最終的な自分の決断がまずかったのは言うまでもありません。
でも、なるべくならそういう思いはもう二度としたくないので、
LDK(リビング)の広さについては事前によく考えたつもりです。
そこで今日は家、とくにLDKの広さについて考えたことを書いてみました。
うちは夫婦二人ですが、お子様のいらっしゃる家庭でも、
今回の記事は参考になるかと思います。
そもそも夫婦二人で40坪の家は広すぎる?
もともと、住林さんで家を建て始める当初、
家の広さは40坪は必要だと思っていました。
でも「40坪くらいの広い家にしてほしい」と伝えていたはずなのに、
住林のプランは最初から30坪程度で出てきました。
「どうしてですか?」と営業さんに聞いてみました。
すると、「夫婦2人で40坪の平屋は広すぎます、やはり30坪くらいが妥当ですよ」とのことでした。
え、施主の意見は無視ですか?
まったく理解できませんでした。
予算だって何も伝えてない段階です。
そもそも広さは主観ですから、僕たち夫婦が狭いと思ったら狭いのです。
他人がいくら「二人で40坪は広い」と思っても、です。
逆に、設計士さん、「あなたはウチら夫婦の何を知ってるの?」って問いたい。。。
なので、なかなかスッキリと納得できませんでした。
確かに、SUUMOとかの不動産サイトや、
新聞の折り込み広告とかに入ってくるマイホームのチラシとかをみると、
30坪くらいの家がすごく多いです。
そういえば、積水ハウスの営業さんに「広さ」の質問をしたことがあります。
「みなさん、どれくらいの広さの家が多いですか?」
すると、「30坪くらいですよ」という回答が返ってきました。
でも、過去、田舎の広い家(40坪以上)に住んでた自分たちには、
「やっぱり、30坪ってどうなの?」とかなり不安に感じる広さです。
さらに、30坪だとLDKだけで20畳とれるかどうかの規模感です。
一番大切なリビングは十分な広さを感じられるのだろうか?
そこが家が完成するまで不安でなりませんでした。
「視線の抜け」がLDKの広さを支配する
「視線の抜け」がないと広さのインパクトは小さい
早速ですが、我が家の住林さんの家の間取りは、
結局、次のような形になりました。
LDKは約19畳ほどで、20畳ありません。
とはいえ、引き渡し後の第一印象では、決して狭くは感じませんでした。
むしろ、十分な広さではあると感じました。
でも、「おぉ、広い!」というほどのインパクトには欠けました。
インパクトが薄い理由の一つは、
建築中からずっとLDKの広さを見てきたからという理由もあります。
正直、見慣れてしまったんですよね。。。汗
でも、もう一つ理由があるなと思ったのが「視線の抜け」です。
ある意味で十分に「抜け感」はあるのですが、
部屋の形のせいで、それが強調されてないなと気が付いたのです。
今回の住林さんのLDKは正方形に近いのですが、そこに原因があると感じました。
以前に、僕のお気に入り番組「渡辺篤史の建もの探訪」を見ていたら、
「視線の抜け」というフレーズが出てきて、
「あっ、そうそう、それそれ!」って気が付いたのです。笑
狭い別荘のLDKを広く感じさせた「視線の抜け」
以前に、過去に所有していた別荘の話を書きました。
「別荘って何?」と、最近ブログの読者になって頂いた方は、
次の別荘のWEB内覧会の記事をどうぞ。
そうです、別荘と言っても豪華なものではなくて、
オバケ屋敷のようなボロ家をリノベーションしたものでして、
田舎の古~い平屋で、坂上忍さんの別荘みたいに煌びやか家ではありません。苦笑
その別荘ですが、下図のように、リビングが長方形だったのです。
16畳なのですが、なんだか異様に広く感じたのです。
いまだに写真を見ても広く感じます。
そして下の写真は上の写真の反対側から見たところ。
設備や仕様は圧倒的に住林に負けてますが、
広さのインパクトはなぜか今こうして写真で見ても健在。。。
別荘は4マスの幅で、9マスの視線の抜けがありました。
縦横で掛け算すると、マスの枚数は32枚です。
一方で住林の新居の場合。
LDKの幅は5マスちょいで余裕があるんですが、
テレビの壁まで7マスなので、視線の抜け的には7マスでしょうか。
別荘よりも少し短い程度ですが、なぜかインパクトが違い過ぎる。
もう少し両者の差を考えてみましょう。
住林の家のマスの合計枚数は端数が出るのですが、約39マスくらいです。
別荘が32マスですから、住林の家の方が面積は7マス(3.5畳)も大きいのですが、
直感的にパッと見ると不思議と別荘の方が広く見えるんでよすねぇ。
恐らくこれは、長方形と正方形の差だなと。
住林のLDKは正方形に近いのですが、
別荘の方は長方形なので、長辺が強調されます。
つまり、長方形の方が遠近感が出るんですよね。
よって視線の抜け感も、さらに強調されるんですね。
いやあ、気を付けないといけませんね。
こういう目の錯覚も確実に存在するんですねえ・・・。
正方形の部屋は長方形の同じ面積の部屋より狭く感じる
実際に、「視線の抜け」を感じた我が家の実例を紹介したいと思います。
短辺と長辺の差が大きいと、遠近感により視線の抜け度が大きくなる例です。
それは、旧宅の積水ハウスのバスルームです。
写真がこれしかないので恐縮ですが、
これ1坪タイプ(1616)ではありません。
標準よりも一回りほど大きい1818サイズです。
積水ハウスはメータモジュールなので、
自然とこのサイズになります。
形は正方形なのですが1辺が長いので面積は1.5坪くらいだと思います。
当時の積水ハウスの営業さんも、
「バスルームは広くてゆったりしていますよ」
と、このサイズ感を、かなり推してました。
でも、実は正直なところ、
一番最初に積水ハウスの展示場でこのバスルームを見た時は、
まったく広く感じなかったのです。苦笑
営業さんも「おかしいな、かなり広いんですけどね。」みたいな感じで困ってましたね。
ちなみに、積水ハウスの家の前に住んでいた、
田舎の1軒目の家のバスルームは1坪(1616サイズ)タイプでしたから、
確実に0.5坪も広くなっているんです。
なのに不思議と広さを感じなかったのです。
広い部屋から狭い部屋を見て初めて気が付いた
一方で、広い部屋を見てから狭い部屋を見ると、
逆に広かったことを実感できるエピソードもあります。
それは同じく別荘のバスルームです。
別荘のバスルームは1616サイズです。
積水ハウスの1818サイズを数年使ってから、
1616サイズに戻った時に初めて1818の広さを実感したのでした。
あれれ? 1616サイズってこんなに狭かったっけ? と。。。
最初に書いた通り、1軒目の田舎暮らしの家のバスルームも同じ1616です。
でも入居当初は「お風呂が広いなー」って感じていたんですけどね。
もちろん、それまでは都会でアパート暮らしでしたし、
お風呂で足を伸ばすなんて不可能でしたから、
なおさら広さを実感したという理由もあるんですけどね。
でも、一度広い1818サイズを経験してしまうと、
広いと思っていた1616サイズでも狭く感じてしまうという、この不思議さ。。。
狭い方を使って改めて、「1818サイズって広いんだ」ってことを実感できたのです。
長方形の方が狭いのに広く感じるという不思議
一方で、今回の住林の家のバスルームは1618です。
面積の広い1818から狭い1618へ移動したら、
やっぱり狭く感じるでしょ?って思いきや、
それが、まったく狭く感じないのです。
これまた不思議なことに。。。
1618サイズは1.25坪で1818サイズは1.5坪ですから、
その差は0.25坪で少ないですが、それでも狭くなったはずなので、
その狭さは先ほどの「広い家から狭い家」理論からすれば、
敏感に感じ取れてもいいはずなんですが(苦笑)、
それが、まったく狭さを感じなかったのです。
余談ですが、同サイズの1620(1.5坪)という選択もあったんですが、
1618から1620のサイズアップは価格もドカンと大きかったので断念しました。
でも、住林ショールームで実際の1618サイズを見ると、
1620なんて不要だねって思うくらい1618が広く感じるのです。
実際、下のように我が家の実物ですが写真で見ても広いです。
そうです、なぜかというと、正方形よりも長方形の方が広く感じるという法則が成り立っているからです。
短辺と長辺との差が大きい長方形の方が遠近感が生まれて、
視線の抜け度が大きいという理屈ですね。
というわけで、このバスルームのサイズ(1616、1618、1818)の比較、
そして、住林の家のLDKと別荘との比較から、
例え実際に面積が広くても、
体感的な広さには「視線の抜け」が非常に重要で、
かつそれは部屋の形にも大きく影響され、
正方形よりも長方形の部屋の方が遠近感が出て有利であるということが、よ~くわかりました。
マイホームデザイナーでLDKの広さを比較する
さて、視線の抜けなどを踏まえた上でも、
設計段階だと、どうしても部屋の広さを実感できない時もあると思います。
例えば僕らも実際に、展示場とか建売販売の家、
オープンハウスとかに出向いて間取りを見ても、
今回の自分たちの住林プランと同じ形状のものはありませんでしたので、
実際に広さの参考になるものがありません。
営業さんに、
「広さの参考になる展示場とか建売とか無いですか?遠くても行きますので。」
と聞いても「ないです。」とのこと。。。
なので、自分たちで何とかするしかありませんでした。
が、ふと、マイホームデザイナーで間取りを作ってみようと思ったのです。
もちろん作ってみるのは、新居の間取りではありません。
それは既に作ってますので。
そうではなくて、今回作ってみようと思ったのは、
旧宅である積水ハウスの家や、過去に住んだ田舎の家、そして別荘の間取りです。
振り返ってみると、過去に住んだ家をマイホームデザイナーで組んだことはなかったんですよ。
そこで思いました。
「そうか、過去に住んだことのある家の間取りを入力してみれば、
同じCGという基準で、条件的に公平に新居と広さの比較ができる!」と。
いくらマイホームデザイナーがすぐれているからって所詮CGです。
実際の家と、CGの住林新築を比較しても、
かなり差異があるし、全然違うだろうって思ったのです。
であれば、すべての間取りを同じマイホームデザイナーの3DのCGで比較すれば、
同じ条件だから正しい比較ができますよね!
我ながらナイスアイデア!
というわけで、今まで住んでいた家のLDKがどれくらいの広さで、
その広さは体感的にどうだったかを、ご紹介します。
積水ハウスの家とのLDK広さ比較
まず最初は、積水ハウスの家です。
3階建ての2階部分がLDKです。
そしてLDKの広さは14畳になります。
こうして見ると、マッサージチェアと、犬のゲージ(黄色い四角い網目)が、
かなりLDKの面積を圧迫していますねー。。。
実は、住んでいる時はあまり意識しなかったんですが、
LDKからKを抜くと約10.5畳しかないんですよね。。。
最初はLDKで14畳あればいいかなと思っていたんですが、
K(キッチン)は奥まっているので空間の連続感があまりないので、
これ、実質10.5畳しかありません。
そりゃ、狭いはずです。苦笑
でも意外に思うでしょうけども、体感的には、
めちゃくちゃ狭く感じたかというと、全然そんなことはありませんでした。
住んでる自分が言うのですから本当です。
恐らく、リビング(DK部分)の部屋の形が長方形だってのも一つの理由だと思います。
というか、それしか考えられませんね。
ただし、それはマッサージチェアを置く前までの話でして、
マッサージチェアを置いた途端に恐ろしく部屋が窮屈になりましたね。。。
おそらく家具と床面積の割合がリミットを超えたのでしょう。
詳しくはこちらにブログを書きましたので、どうぞ。
あと、お客さんが来た時なんかも部屋の狭さを感じましたねー。。。苦笑
14畳でも問題はないんですが、家具が多すぎるとNGですね。
家具はよーく考えた上で購入しましょう。。。
40坪超の田舎の家とのLDK広さ比較
さて、次は田舎暮らしの時の家です。
これは、まだ妻と結婚する前の、母屋だけの時の間取りです。
(結婚後、北側に延床20坪超の離れを増築しました。)
ここで一人暮らしを始めるとともに独立開業したわけです。
いわば、自宅兼事務所ですねー。
でも、LDKは、なんと、12畳(洗面室の右の廊下を合わせると13畳)しかなかったんですねえ。
でも、すごく広く感じたのは、東側の6畳(LDって書いてありますが洋室です)と、
12畳のLDKを、ドアを付けずにつなげてしまったからなのです。
これで、空間面積としては19畳で、視線の抜けは10マスです。
しかも部屋が東西に長く、およそ長方形になっていますから、
それも視線の抜けを強調してくれていますね。
実際、めちゃくちゃ広く感じました。
ちなみに、最初に不動産屋(大工)さんから、
「リビングと洋室の間にドアを付けますか?」
と聞かれたのですが、ワンフロアが好きなので、
「ドアは不要です」って断っちゃったんです。
でも、それが幸いしましたね。
あ、それからもうひとつ広く見える理由。
LDKは勾配天井でしたから、天井の高さも一役買っていることは間違いないですね。
この19畳と言う広さは、現在の住林の家と同じ19畳です。
これくらいの広さがあると、一人だと広すぎると思いましたし、
とはいえ、人を数名呼んでも「狭い」と感じない空間スペースでしたね。
体感的に超広い16畳LDKの別荘との比較
さて、次は最初の方にもちらっと触れました別荘です。
不思議なことに別荘が体感的には一番広く感じました。
間取りはこんな感じ。
でも、16畳しかありませんから、1軒目の家よりも、LDKは3畳も狭かったんですねえ。。。
それでも、今までで最も広く感じました。
これはもう部屋の形が長方形って理由でしょうね。
綺麗な長方形で視線の抜けも強調されていますね。
ここには、リビングセットとダイニングセットを置きましたが、
まったく広さに支障は出ませんでしたね。
ちなみに、「幅」は4マスあれば十分だということが別荘に住んだことでわかりまして、
むしろ、短辺の幅をミニマムの4マスにおさえて、
長辺を伸ばせるだけ伸ばすという方法が、
実は一番いいんじゃないかとさえ思いましたね。
住林の総二階プランのLDKはどうか?
さて、次はもう一度、住林の総二階プランを見てみましょう。
LDKは1階に配置しております。
これ、17.5畳なのですが、階段手前の小上り部分も含めると約19畳になります。
1軒目とほぼ同じ面積ですが、なぜか体感的に広さのインパクトはありません。
短辺の幅が5マスありますのでゆとりがあるように見えて、
その分だけ長辺の長さがないので、そのため広さを感じないのです。
もちろん、実際に人間が暮らす上で、
今までの経験上19畳あればまったく問題ありませんが、
この部屋の形だと視線の抜けによる広さのインパクトはないのです。
とはいえ「広さを感じない」というだけで、
マイホームデザイナーで3Dで中に入ってみても、
「狭さ」も全く感じませんでした。
むしろ、必要にして十分な広さでした。
なので建築前も、
「恐らくこのプランで狭さを感じることはないだろうな」
と思ったんですが、
「広くは感じないだろうな」
とも思いましたね・・・。
平屋プランのLDK、面積は一番広いが体感的には微妙…
さて、次はもう見るまでもない幻の平屋プランです。
二階建てプランに変更する前のプランですね。
以下、全体でなくLDKの部分だけ抜粋しましたが、
なんと23.5畳ですから、今までで一番広いですね。
ただですね、やはり部屋の形が影響してるんだと思いますが、
マイホームデザイナーで3Dで入ってみても、
それほど広さのインパクトはないですね。
意外なことに。
今となっては幻のプランですが、
広さを感じたいなら部屋の形状に注意しましょうってことがよくわかりましたね。。。
というわけで、実際に住んでいる家や前に住んでた家を、
ちまちまとマイホームデザイナーで入力してみましたが、
こうやって新プランと同じCGという条件で比較してみたら、
非常に差がよくわかりました。
なので、もしも家の広さ、LDKやリビングの広さで悩んでいる人がいたら、
今住んでいる家やアパート、または実家などをマイホームデザイナーで入力してみてください。
そうして比較すると、すごくわかりやすいです。
実際、3Dで入ってみると、今住んでいる家と3Dとの体感の違いも確認できます。
でも、割と同じだってこともわかると思いますけどね。
あらためて、マイホームデザイナーのコスパを再確認してしまいました。。。苦笑
もう一つの「視線の抜け」それは庭
ちょいと余談ですが、視線の抜けを作る方法はもう一つありました。
今回、住林の家と積水ハウスの家の決定的な違いでもありますが、
それは、住林の家には広い庭があることです。
このように南側に窓があり、そこから庭が見えます。
LDKの南側を、ほぼ窓にしましたので、
庭の奥行きの分だけ疑似的な視界の抜けができます。
ちなみに南側全面を「窓」にする事も住林の「ビッグフレーム工法」なら可能でした。
でも隣家の視線が気になるので、半分を3連窓にして外からの視線を緩和してます。
それでも、写真で見て頂ければわかると思いますが、
プリーツスクリーン越しでも十分な視線の抜け感はありますから、
開放感が出ますよね。
とはいえ疑似的なものですから、やはり部屋の形や勾配天井など、
実際に空間がもつポテンシャル・インパクトには負けます。苦笑
あくまでも、限界まで視線の抜けを引き出したけど、
まだもう少し足りないなあという場合に、
庭とのつながりも考えてみたらいいのでは?というご提案です。笑
ちなみに積水ハウスの家では、タヌコさんにとっては、
十分な視界の抜けはありましたけどね。
ほらね、タヌコさんから見れば天空の城「シャーウッド」です。笑
コロリさんは、2階建て犬ゲージの1階にお住まいで下から、
ちょっと窮屈感があったかもね。足を出しちゃって。。苦笑
以上、LDKの広さの話でした。
ご参考になれば幸いです。